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イオン交換樹脂の基礎知識

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イオン交換樹脂の基礎知識

イオン交換樹脂の基礎知識

イオン交換樹脂とは、水に含まれているイオンを掴み、代わりに元々自分が持っているイオンを離すことで、イオン交換を行う樹脂です。

不純物を含む水をきれいにするイオン交換樹脂

※純水:水道水などの水に含まれるナトリウムや カルシウム、マグネシウムなどの陽イオンや、 塩素や炭酸といった陰イオンを除去した純粋な 水のことです。ミネラルやカルキを含まないという特性を活かし、様々な産業で利用されています。

イオン交換樹脂を使った
【分離】の基本要素

イオン交換樹脂を使った分離の基本は(Ⅰ)のイオン交換です。イオン交換(吸着)は物理吸着と異なります。
イオン交換反応では、 イオン交換樹脂にあらかじめ吸着しているイオンと、吸着させたい物質(目的物質または非目的物質)が”交換”されて、
吸着させたい物質が吸着される代わりに、もともと吸着していたイオンが溶出します。
イオン交換は、交換基~吸着させたい 物質~あらかじめ吸着していた物質間での平衡反応です。

(I)イオン交換

イオンを吸着させる分離構造

目的物、非目的物の少なくてもどちらか一方は樹脂内に入る(拡散する)ように樹脂を選定する。

  • I-1 目的物をイオン交換樹脂に吸着させ、吸着しない非目的物と分離する。
  • I-2 非目的物をイオン交換樹脂に吸着させ、吸着しない目的物と分離する
  • I-3 目的物、非目的物の両方をイオン交換樹脂に吸着させ、溶出の際に溶出液の種類、濃度を変えることで、目的物非目的物を分離する。 目的物を含む液を樹脂に通液→水洗(目的物回収Ⅰ-2)→溶出(目的物回収Ⅰ-1、3)

(II)クロマト分離

イオン交換とは異なり、目的とするイオンもしくは非目的イオンをイオン交換樹脂に吸着させずに分離します。目的イオン、非目的イオンが、樹脂層を通過する間にイオン交換樹脂の持っているイオン交換基、母体の構造等から様々な影響を受けると、樹脂層を通過する速度に差が生まれます。この「差」を利用して分離する方法です。

目的物を含む液を樹脂に通液
→展開液を通液→目的物を回収
(この工程の連続的な繰り返し)

II-1 サイズ排除(ゲル濾過、サイズ・イクスクルージョン)

イオンの大きさで分離するクロマト分離

(Ⅱ‐1)
サイズ排除

目的物、非目的物の少なくてもどちらか一方は樹脂内に入る(拡散する)ように樹脂を選定する。
目的物~非目的物間の分子量の差を使って篩い分ける

II-2 イオン遅滞(イオン・リタデーション) イオン性の物質同士の分離の場合
イオン排除(イオン・イクスクルージョン)
イオン性の物質同士~イオン性の物質と非イオン性の物質の分離までを含む

イオンの大きさで分離するクロマト分離

(Ⅱ‐2)
イオン遅滞

目的物、非目的物の両方とも樹脂内に入る(拡散する)ように樹脂を選定する。
目的物、非目的物に対する交換基の反発性の差を利用する。反発性の影響を大きく受ける方が樹脂層から先に出てくる。

II-3 アフィニティー

少なくても目的物は樹脂内に入る(拡散する)ように樹脂を選定する。
あらかじめ樹脂の交換基に、目的物と親和性の高い物質を吸着させておき、目的物が非目的物よりも長い時間滞留もしくは、吸着するように準備しておく。非目的物を先に流し出し、その後目的物を溶出、もしくは展開液で押し出して回収する。(吸着させる場合は「イオン吸着」の手法となるが、滞留時間を稼ぐ場合は「クロマト分離」の手法となる)

これらの要素が単独で分離を司るのではなく、相互に絡み合って分離の原理(分離機構)となります。どの要素が分離に効いているのか、あるいはどの要素を中心に分離を試みるか、を考える場合には、目的物質、非目的物質、これらを含む系全体の詳細な情報が必要です。

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